大吟醸酒と本醸造酒って何が違うの?日本酒の種類について解説します

稲作が日本で始まった時代から造られてきたといわれている日本酒。かつては神事にのみ使われる特別な飲み物でしたが、長い歴史の中で次第に暮らしの中に広く、深く浸透し、日本酒造りの技術も時代とともに発展していきました。それにともない、さまざまな造り方の日本酒が全国各地に生まれ、種類も細かく分類化されるようになったのです。

さまざまな日本酒がある中、お気に入りの1本を見つけるためには日本酒の種類について知っておくと役に立ちます。この記事では日本酒の種類について製造方法での分類や酒税法での分類法などをふまえ、解説します。

1. 日本酒の種類

日本では酒を製造方法によって分類する方法と、酒税法にのっとって分類する方法の2つがあります。

まず日本酒は、製造方法による分類だと醸造酒にあたります。醸造酒は米などの穀類や果実などを発酵させて造る酒の総称です。日本酒のほか、ビールやワインが醸造酒にあたります。

また、酒税法では日本酒(清酒)を次のように定義しています。

〜次のいずれかの条件を満たす酒類でアルコール度数が22度未満のものをいいます。〜

1. 米、米麹、水を原料として濾したもの。
2. 米、米麹、水または清酒かすのほか、政令で定める材料を原料として発酵させ、濾したもの。
3. 清酒に清酒かすを加えて濾したもの。

そして日本酒は、製造方法によって「特定名称酒」と「普通酒」の2種類に大きく分けられます。

1-1. 特別名称酒

特定名称酒はさらに、原料の種類および、原料の精米や製造方法などによりさらに8種類に分けられます。また、特定名称酒の分類は国税庁によって表示基準が定められ、ボトルのラベルなどにその種類が適切に表示される決まりになっています。

特定名称酒の種類を、原材料が米と米麹だけのもの4種と、米と米麹、醸造アルコールを使った4種に分けて説明します。

原材料:米、米麹
● 純米大吟醸酒・・・精米歩合が50%以下で、吟醸造りで固有の香味があり、色沢(しきたく※酒の色と透明度を指す)が特に良好な特別名称酒です。
● 純米吟醸酒・・・精米歩合が60%以下で、吟醸造りで固有の香味があり、色沢が良好な特別名称酒のことをいいます。
● 特別純米酒・・・精米歩合が60%以下、または特別な製造方法で、香味と色沢が特に良好な特別名称酒です。
● 純米酒・・・香味、色沢が良好な特別名称酒です。

原材料:米、米麹、醸造アルコール
● 大吟醸酒・・・精米歩合が50%以下で、吟醸造りで固有の香味があり、色沢が特に良好な特別名称酒です。
● 吟醸酒・・・精米歩合が60%以下で、吟醸造りで固有の香味があり、色沢が良好な特別名称酒のことをいいます。
● 特別本醸造酒・・・精米歩合が60%以下、または特別な製造方法で、香味と色沢が特に良好な特別名称酒です。
● 本醸造酒・・・精米歩合が70%以下で、香味と色沢が良好な特別名称酒です。

※吟醸造り・・・吟味して醸造することをいいます。伝統的に、しっかり精米した白米を低温で時間をかけ発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)が出るように醸造しています。
※醸造アルコール・・・廃蜜糖やとうもろこし、サトウキビなどの植物由来のデンプン質物や含糖質物から醸造されたアルコールのことです。特別名称酒に使われる醸造アルコールの量は白米の10%以下の重さまでと決められています。

1-2. 普通酒

普通酒は特定名称酒以外の日本酒のことです。原料の米には精米歩合70%以上のものが使用されたり、特別名称酒で使われる原料以外の原料を使ったり、醸造アルコールが10%以上使われている場合があります。

1-3. 精米歩合とは

精米歩合とは精米されていない米、つまり玄米の中での白米の重さの割合のことです。例えば、精米歩合が70%であれば、玄米の表面を30%削っていることになります。

胚芽や玄米表面に豊富に含まれるタンパク質や脂肪、ビタミン類は日本酒を作る上で欠かせない成分です。しかし、量が多すぎると日本酒造りで良しとされる香りや色味にとっては悪影響になるため、日本酒を造る際には玄米を精米して使用するのが一般的です。

私たちが普段食べている標準的な白米の精米歩合は92%くらいです。この数字からもわかるように、日本酒に使われる原料は米表面をかなり削った贅沢なものなのです。

2. そのほかの種類の日本酒

日本酒は他にも、製造方法によって次のような種類があります。

2-1. 原酒

製造後に水を加えることにより、アルコール度数を調整したりしない日本酒です。ただし、アルコール度数1%の未満の範囲で水を加えても原酒と表示することは可能です。

2-2. 生酒

製造した後に一切熱処理をおこなわない日本酒をいいます。かつては酒蔵で瓶詰めをする前にしか味わえなかった日本酒の種類です。

2-3. 生貯蔵酒

製造後に加熱処理をしないまま貯蔵し、その後出荷前に加熱した日本酒です。

2-4. そのほかの種別

「生一本」は、一か所の製造所で醸造した純米酒です。また貯蔵に木樽を使い、木の香りがついた日本酒は、「樽酒」と呼ばれます。

3. まとめ

日本酒の種類について、製造方法での分類や酒税法での分類法などをふまえ、解説しました。 「食彩たつ」では毎朝豊洲市場で仕入れた新鮮な食材で勝負しています。季節に合わせた食材、日本酒や焼酎を取り揃え、おもてなしいたします。錦糸公園のすぐ近くで、宴会や女子会だけでなく、一人飲み、仕事帰りの軽い1杯にもぴったりのお店です。ぜひ一度お立ち寄りください。